VWと唐澤先生 VW_集合写真

  3月の一言

 こんな狭い沢渡温泉にVW乗りの先輩がいました。未だ私が小中学校の頃です。
「先生、カメラはライカ、時計はロレックス、やはり物へのこだわりがあって、VWに乗ったのですか?」
「イヤイヤそんな事は無いですよ!」と、恥ずかしそうにインタビューに答えてくれました。

  私が1982年、温泉旅館には似合わない『ミニミニ わあげん はくぶつかん』を、作った頃だったか?当時、学校の先生だった、唐澤先生がみえ「てっちゃん、こんなのが有るんだけど、もらってくれるかい?」私が目にしたものは、年期の入ったVWのメインキーと キーホルダー、それに凄くステキなヤナセ物のカタログでした。VW TOYが、一番の興味対象だった私にとって、頂いた中にあった  ヤナセの社報などは、日本のVWライフの絵が見えてきて、とても興味深い物で、其の後の紙物コレクションに拍車を掛けたのは言うまでも有りません。
  「昭和40年か41年頃、最初はスバル360に乗って、パブリカ、ベレット。ベレットを引き取ってもらい1965年VWが最初だったかな?」「先生!この写真のVWは、私が今乗っているのと同じ年式ですよ!」私は、沢渡温泉で同じ年式を乗っていた方がいた事に感激しました。「スバル360の形が好きで、VWを好きになった。乗ってみればシートの硬さが良いし、雪道も強い、整備すればまるで新車、そんな所が良かったかな」まるで当時のヤナセのカタログに書いてある様なコメントが聞けましたが、リアルタイムで乗っていた方の言葉は、何よりも説得力があり、年代落ちのVWを乗った私達は悔しいかな、中々言えないものです。先生は65年型68年型(写真の67は、整備中の代車だとか)と、VWを5年前後楽しんだ様です。エピソードなどもたくさんお聞きできました。
  私が驚いたのは、マイカーと言う言葉もあまり聞かない時代、せいぜいマイ自転車かな(笑)65年型元オーナーにキャンパーをしばらく貸して頂いたと言う(おそらくそれは、60年代に唯一ヤナセ群馬に一台入ったと言われている物のようだ?)「それで何処か行ったり、キャンプとかしたのですか?」「そんな習慣なんか無いし、どう使って良いやら?とりあえず、暮坂峠に行って、ただ戻って来ただけ(笑)」高度成長時代とは言え、まだまだ戦後の貧しい時代も少し重なる、ほほえましい話も聞けました。
  私よりVWオーナー歴は短いのですが、お借りした写真を見ていると、私には叶えられない、昭和40年代のVWライフ、ファミリーが愛したVWが在り、何よりリアルタイムで経験したVW乗りの先輩が其処にはいました。


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